ちりめん生地について


■絹のちりめん生地
通常、「絹・シルク」はカイコの繭から細い繊維を「繭糸(けんし)」を集めて糸にして作られます。繭糸はカイコの体内で作られる2種類のたんぱく質で、芯となる「フィブロイン」とその表面を覆っている「セリシン」で構成されています。
この「セリシン」は乾燥すると強い固着力を発揮し、この作用を利用してつくるのが「ちりめん」です。
ちりめん生地を作るには「セリシン」を多めに残して撚糸をつくります。 この糸を横糸に使って生地を織り、「精錬」という洗いの工程をへて「セリシン」を洗い流します。すると横糸の撚りが戻り、平坦な生地に「しぼ」ができます。これを「ちりめん」と呼んでいます。
※絹のちりめん生地は、和一では基本的に取り扱っておりません。


■レーヨン素材のちりめん生地 (和一取扱い生地)
和一では「レーヨン100%の生機(きばた)」を使って、「ちりめん生地」にしたものを染色加工して販売しております。
「レーヨン」とは綿や木材パルプを原料とし、絹のような風合いを人工的に作ろうとしてできた再生繊維です。主成分は「セルロース」で「人絹(じんけん)」とも呼ばれます。天然植物由来のセルロースを使っているため、水に弱く縮みやすいのが最大の難点です。
「レーヨンちりめん」は絹と同じように、撚りをかけたレーヨン糸を使って布を織ります。織りあがった生機(きばた)を「精錬」して生地を洗い、糊を落として撚りを戻すと、ちりめんの「しぼ」が出来ます。これを染色、蒸し、洗いなどの作業を経て「ちりめん生地」が出来上がります。
※この「精錬(せいれん)」の作業は、機械に通すと簡単に「しぼ」が出来上がるのではなく、釜に湯を沸かし生地を通して「しぼ」の出来具合をチェックし、均一に「しぼ」が出るように、長年の経験による調整が必要となり非常に重要な作業です。


ちりめん生地ができるまで01

ちりめん生地ができるまで02

ちりめん生地ができるまで03


レーヨンちりめん生地の長所と短所


レーヨン糸は、天然植物由来の原料から溶剤に溶かして再度繊維化させることによって人工的に作った再生繊維(レーヨン)で、絹に似た光沢や手触りといった特徴をもつ繊維です。
和一のレーヨンちりめん生地はそのレーヨン糸を使い、「ちりめん生地」として加工しています。価格は絹・シルクに比べて安価で、ちりめん生地としてはほとんど見分けがつきません。それゆえ和小物やちりめん細工など手芸に最適な和の素材となっております。

しかし、レーヨン素材の生地として、水に弱いのはもちろん、ちりめん加工の工程上、一度縮んだ生地を再度伸ばして生地幅をセットしているため、水に濡れると再度生地が縮んだり、シワになったりするのが最大の難点です。


■長所
生地に光沢がある
染色が色鮮やか
ちりめん細工手芸においてボンドと相性が良い
絹ちりめんより安価


■短所
水に弱く濡れると非常に縮む(水濡れ厳禁)
色落ちする
シワになりやすい


手芸和雑貨


染色方法について


和一のレーヨンちりめん生地は白生地に染色をする後染め方法です。
柄生地は「捺染(なっせん)」と呼ばれ、何枚もの型を使って染め上げます。一方、無地生地は「浸染(しんぜん)」で無地染めとも呼ばれ、染料を溶かした溶液にくぐらせ染め上げます。
色は反応染料や直接染料といった合成染料を使い、型友禅の場合、糊に染料を混ぜ捺染後、助剤などを使って後処理をして染め上げます。


■色ブレについて(ロットブレ)
色々な工場を経て仕上がるちりめん生地は、染料・溶剤・生地との相性や織機工場の違い、染工場、精錬工場、季節、湿度によってそれぞれ微妙に異なります。
あまり知られていませんが、通常の綿プリント生地などの一貫生産している染色工場とは大きく異なり、ロットの違いによる「色ブレ」といった症状が、どの段階の加工で起こるのかも特定が難しく、それぞれの工場で手作業による調整が必要となります。
それゆえ全く同じ色に染めることは非常に困難で、色ブレは避けられないものとなっています。
これも、レーヨンちりめんの味としてご理解頂ければ幸いです。
詳しくは「ちりめん生地の色ブレについて」をクリック


染色方法01

染色方法02

染色方法03

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