つまみ細工に適した生地の選び方

目次

    つまみ細工に使う生地は、作品の仕上がりや作業のしやすさに大きく影響します。
    よく使われるちりめんレーヨン100%の素材で、糸の太さや織り方が異なる一越ちりめん二越ちりめんの2種類があります。
    同じ丸つまみを作ってみると少し表情が違ってきます。

    一越と二越のつまみ細工生地の比較写真

    一越ちりめんは細い糸で織られており、表面のしぼ(デコボコ)が小さく、繊細な仕上がりになります。
    一方、二越ちりめんは太めの糸で織られていて、しぼが大きく、光沢がありふんわりとした印象です。

    二越ちりめんのつまみ細工
    一越ちりめんのつまみ細工

    左:一越ちりめんで作ったシャープな印象の丸つまみ。
    右:二越ちりめんで作った、ふわっとした印象の丸つまみ。

    同じ条件(4cm角のつまみ細工用生地を使用)で摘まんでおりますが、これだけの違いが生まれます。中央のビーズは同じサイズです。
    生地の質感によって、つまみのサイズや立体感にも違いが出ることがおわかりいただけるかと思います。

    しぼの質感がわかる一越ちりめんの生地アップ
    ↑ しぼが小さい一越ちりめん
    ≫ 拡大して質感を見る
    しぼの質感がわかる二越ちりめんの生地のアップ
    ↑ しぼが大きい二越ちりめん
    ≫ 拡大して質感を見る

    一越ちりめん(ひとこしちりめん)

    つまみ細工を始めるにあたって、初心者には一越ちりめんがおすすめです。「しぼ」が細かくて薄く折り目がつきやすく、つまみ細工はシャープな印象の仕上がりになります。 糊やボンドの吸収も良好で作業もしやすく初級者からおすすめできる生地です。

    一越ちりめんのつまみ細工作品
    ↑ 一越ちりめんのつまみ細工作品

    ※補足 「一越ちりめん」は「ひとこしちりめん」と読みます。「いちこし」と読んでしまう方もおられますが「ひとこし」が正しい読み方です。

    二越ちりめん(ふたこしちりめん)

    二越ちりめんは艶と厚みがあり、「しぼ」が大きいため、つまみ細工にするとふんわりとした仕上がりになります。 生地に弾力と光沢があり、高級感のある質感が魅力ですが、カット面が毛羽立ちやすいため、小さなつまみ細工には少し慣れが必要です。

    特に、二越ちりめんは、伸びやすく変形しやすいため、摘まむ際に形が崩れやすいことがあります。 一度軽く摘まんでみると、一越ちりめんとの違いがよくわかります。

    少しコツは必要ですが、二越ちりめんのつまみ細工は、ぽってりとしたボリュームのある作品に仕上がります。 ふっくらとした仕上がりを生かしたい場合は、二越ちりめんをご使用ください。

    二越ちりめんのつまみ細工作品
    ↑ 二越ちりめんのつまみ細工作品

    ※補足 「二越ちりめん」は「ふたこしちりめん」が正しい読み方です。一般的に「鬼ちりめん」「おにちり」とよばれることも。

    その他の生地

    正絹などのつまみ細工に使われる生地は厚みが薄く、より繊細な表情のつまみ細工ができます。 生地が薄いので指でカット生地を拾い上げるのにも一苦労、取扱いが難しく、初心者には難易度がグンと上がります。

    正絹・羽二重のつまみ細工の写真
    羽二重のつまみ細工作品

    正絹などの生地は縮緬より高価なものがほとんどで、失敗が出来ない生地でもありますので、もっと技法を覚えて上達してからチャレンジしてみましょう。

    • 正絹羽二重:絹から織られていて、柔らかく繊細で上品な仕上がり
      → 高級感のある髪飾り(舞妓さんの髪飾りのような気品ある仕上がり)や和装小物におすすめ
    • 綿ローン:綿素材で、シーチングよりも薄くて柔らかく繊細な仕上がり
      → 洋風のつまみ細工や軽やかなアクセサリーに向き
    正絹・羽二重・綿ローンのつまみ細工カット生地の写真
    絹・羽二重・綿ローンのつまみ細工カット生地

    ※つまみ細工用で販売している正絹などの生地は、作業性を上げるために薄く糊で固めており、パリッと糊が効いていて扱いやすく綺麗に仕上がるように加工がされているものもあります。

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