つまみ細工のボンドと糊の使い方

目次

    つまみ細工では、布を固定するためにボンドでんぷん糊を使います。 それぞれに特徴があり、作品や作業スタイルに応じて使い分けるのがポイントです。 ボンドは木工用接着剤(特に速乾タイプ)、糊はでんぷん糊を使用します。 どちらもつまみ細工専用のものがございますが、初めての方なら市販のもので十分お使い頂けます。

    速乾ボンド(木工用ボンド/木工用接着剤)の特徴

    木工用ボンドは、つまみ細工をつくるのに適しており、 手芸用から建築用のものまで手軽に購入できる便利なボンドです。

    つまみ細工に使うボンドの写真

    ボンドは、正式には「酢酸ビニル樹脂系エマルジョン形接着剤」と呼ばれるもので、 酢酸ビニル樹脂を水に分散させ、水分が蒸発することで固まるタイプの接着剤です。 色は乳白色ですが、乾くとほぼ透明になります。 ボンドは速乾タイプと標準タイプの二種類がありありますが、つまみ細工には作業性の良い速乾タイプをお使いください。

    速乾ボンド

    • 速乾性がある
      接着が早く乾くため、作業がスピーディーに進みます。
    • 乾くとほぼ透明になる
      乳白色ですが、乾燥後はほとんど目立たなくなります。
    • 入手しやすい
      ホームセンターやスーパーなどでも購入できます。
    ※木工用ボンドの速乾タイプと標準タイプは何が違うの?
    どちらも「酢酸ビニル樹脂」と「水」でできていますが、速乾タイプは水分が少ないため、乾燥が早く、作業がスムーズに進みます。 また、ちりめん生地は水分を含むと縮みやすいため、つまみ細工には水分の少ない速乾タイプの使用がおすすめです。

    木工用ボンドの成分例

    • 速乾タイプ 酢酸ビニル樹脂:55%、水:45%
    • 標準タイプ 酢酸ビニル樹脂:40%、水:60%

    ■注意点

    • 小さな容器のボンドがおすすめ
      普段使いには小さめの容器が便利です。詰め替え用を購入する場合は、1〜2年以内に使い切れる量を選びましょう。
      ボンドは時間が経つと粘度が増したり、塊ができて詰まりやすくなり作業性が落ちます。
      なるべく新しいボンドをお買い求めください。
      ※ボンドの有効期限は、未開封で製造日から1〜2年程度です。
      市販品には容器に製造日が印字されています。
    • 使用後はすぐに蓋を閉める
      速乾タイプのため、容器の口がすぐに固まってしまいます。使用後はしっかり蓋を閉めましょう。
      → 固まったボンドが逆流して混ざると、使いにくくなることがあります。
    • 詰め替え時は容器を洗浄
      古いボンドをきれいに洗い流し、完全に乾かしてから新しいボンドを詰め替えてください。
      → 古いボンドが混ざると粘度が変わり、使いにくくなることがあります。
      何度洗っても中にボンドがこびりついて取れないことがあります。そんな時は、無理せず容器を新しくするのがおすすめです!
    • 手荒れに気をつけましょう
      木工用ボンドが手につくと、指先が荒れることがあります。
      → 手につかないように工夫するか、水で濡らしたタオルなどでこまめに拭き取るのがおすすめです。
      左手の親指や人差し指など、特定の指だけ荒れていませんか?そんなときは、ボンドが原因かもしれませんよ。(体験談)

    速乾ボンドの使い方

    速乾ボンドは乾燥するとすぐに固まってしまいます。 容器から出したボンドの表面もすぐに乾いてしまうため、つけにくくなることがあります。 そのため、つまみ細工をするときは、容器などに少量ずつこまめに出して作業するのがおすすめです。
    ※直接、大きなボンド容器の口からつけるのは避けてください。

    ボンドを使う際は、表面のつるっとしがボンド板や樹脂製の小皿などに移してから使いましょう。

    ボンド板やCDケースや容器のフタなど
    CDケースや容器のフタなど

    ボンドの使い方は、つまみ細工の端に少量のボンドをつけ、ボンド板や容器の蓋の縁を使って、 やさしく撫でるように2〜3回滑らせて余分なボンドを落とします。 このひと手間で、仕上がりがきれいに整います。 樹脂製の蓋は、ボンドが乾いたあとにぺりっと剥がれるため、繰り返し使えて便利です。

    容器のフタを使ってボンドをつける
    容器のフタを使ってボンドをつける

    ボンド板・小皿

    • ファイルやCDケースなど
      少しずつボンドを出し、平らな面を使ってボンドをつけていきます。
      → 使い終わったら乾燥させて剥がし、繰り返し使えます。
    • 樹脂製の小皿(丸い容器の蓋など)
      ボンドを入れたあと、蓋の縁を使って余分なボンドを落とすことができます。
      → 縁のカーブがはみ出たボンドを取るにはちょうどよく、これも乾くと簡単に剥がれます。
    ボンドを付ける時
    ボンドをつける時

    ボンドをつけるときは、花びらを摘まむピンセットの位置にも注意が必要です。 摘まむ位置が悪いと、花びらの端が開いてしまい、ボンドを多くつけすぎてしまうことがあります。 仕上がりを美しく保つためには、花びらのギリギリ下の部分をピンセットで摘まむようにしましょう。

    ※レーヨンのちりめん生地は、木工用ボンドで問題なく接着できます。 ただし、ナイロンやポリエステル系の生地は、接着しにくい場合があります。 そのような場合は、透明のボンド(溶剤系)を試してみてください。 同じ種類の生地でも、接着のしやすさには差があるため、必ず小さなはぎれで試してから使用するのがおすすめです。

    でんぷん糊の特徴

    つまみ細工に使うでんぷん糊は、主にトウモロコシやタピオカのでんぷんから作られています。 トウモロコシでんぷんは、サラッとした使い心地が特徴で、タピオカでんぷんはプルっとした粘りがあります。 ただし、初心者の方には特にどちらが良いということはありませんので、入手しやすい方を選んでいただいて大丈夫です。

    つまみ細工に使う糊の写真

    でんぷん糊

    • 乾くまでに時間がかかる
      糊を吸い込むまで少し時間がかかりますが、固まるまでは修正がしやすいです。
    • 乾燥後はしっかり固まる
      乾燥すると生地に糊が吸着し、カチカチに固まります。
    • 入手しやすいが容量に注意
      事務用や子供用のものが多く、糊の量が少ないのが難点です。
      → 大容量タイプは探す必要がありますが、たくさん作業する方には便利です。

    ■注意点

    • 使い切れる量を選ぶ
      でんぷん糊は時間が経つと品質が変わりやすいため、
      数か月以内に使い切れる量を購入するのがおすすめです。
    • 乾燥を防ぐ工夫を
      糊が乾燥すると濃度が変わり、使いにくくなります。
      → 一時的に作業を中断する時でもラップなどでしっかり覆って、保管時の乾燥を防ぎましょう。

    でんぷん糊の使い方

    水で湿らせた木の板や平らな樹脂板を用意し、でんぷん糊は2〜3mm程度の厚さに置きます。 糊の厚みが均一になるように、ヘラなどで軽くならしておくと、つまんだ花びらも綺麗に糊を吸い込みます。また、厚みが薄いと花びらが開いてきますので、厚めに糊を敷きましょう。

    ヘラで糊板にでんぷん糊をつける

    その上に摘まんだ花びらをそっと静かに置き、20〜30分ほど休ませて糊がなじむのを待ちましょう。 この時間が、花びらの形を安定させる大切な工程になります。

    でんぷん糊に花びらを置く

    糊をなじませてから15分ほど経ったら、ピンセットで花びらをそっとつまみ、 他の部分に糊がつかないよう注意しながら空いたスペースへ移動させます。 その後、形を整えて、しばらく休ませてからお花の組み立てに進みましょう。
    ※移動の際は、糊が乾ききる前に行うと、形が綺麗に整えやすくなります。

    ボンドと糊の使い分けのコツと工夫

    初心者の方には、手軽に始められる木工用ボンドがおすすめです。 すぐに接着できるため、作業がスムーズに進みます。 一方、でんぷん糊は乾くまでに時間がかかりますが、 その分、微調整がしやすく、形を整えながら作業できます。 それぞれに特徴があるので、両方の使い方をぜひマスターしてみてください。 ボンドと糊をうまく使い分けられるようになれば、つまみ細工の仕上がりもぐっと安定します。
    ※慣れてきたら、花びらの種類や用途に応じて接着方法を選ぶのも楽しいですよ。

    お手拭きタオルやウェットティッシュで綺麗にピンセットをついた糊を拭きます

    ピンセットでボンドや糊を使って花びらを葺いたら、必ずお手拭きタオルなどでピンセットについた糊などを綺麗に拭くようにしてくだい。 これが出来ていないと次の花びらに糊がついてしまい綺麗につまめなくなります。 ピンセットでボンドや糊を使って花びらを葺いたあとは、 必ずお手拭きタオルなどでピンセットについた糊やボンドをきれいに拭き取ってください。 ※これが出来ていないと、表面の花びらに糊がついてしまい、汚れてしまうことがあります。

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